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墜落による労災事故

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2023年9月20日

1 墜落による労災事故とは

「墜落」とは、身体が完全に宙に浮いた状態で落下することを指します。

例えば、建築工事現場の足場から落ちてしまった、脚立で作業中に落ちてしまったなどの事例が当てはまります。

業務中に墜落事故が起きれば労災保険の補償を受けることができますし、また、労災保険の補償では十分でない場合、その不足分の賠償を会社に求めることができる場合があります。

2 労災請求の流れ

労災事故による怪我等をした場合、治療費、休業補償、その他の補償が問題となります。

治療費に関して労災請求の流れをみると、まず、被災労働者は、労働災害の発生を会社に報告するとともに、早めに病院に通院しましょう。

通院先の病院が労災指定医療機関等である場合、窓口で治療費を支払う必要がありません。

他方、労災指定医療機関以外の場合、窓口で治療費を一旦立て替えなければなりません。

治療費の負担の点から、労使指定医療機関を選択された方がよいでしょう。

また、労災では補償内容ごとに請求書式が用意されているので、業務災害における治療費については様式5号の書式を用います。

申請書等には事業主の証明欄があるため、勤務先に証明の協力を求めます。

申請書等を作成したら、管轄の労働基準監督署に提出します。

補償内容によっては、申請時に添付資料が必要となります。

3 会社への損害賠償請求

労災保険による補償の不足分については、会社に安全配慮義務違反や不法行為責任が認められれば、賠償を求めることができます。

墜落事故の場合、落下防止のための安全帯が適切に施されていたかなど、個別の事案に照らし、会社がいかなる安全配慮義務を負っており、その義務違反があったことを主張立証していく必要があります。

墜落事案の場合、重傷・死亡という重大な結果であることが少なくありません。

そのため、賠償金額も数百万円~数千万円など高額になることがあります。

4 弁護士にご相談ください

墜落事案では重大な結果が生じやすく、十分かつ適切な補償がなされるべき必要性は高い反面、労災請求や会社への損害賠償請求を一般の方に行うのは容易ではありません。

墜落による労災事故が起きた場合には、お早目に労災に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。

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